| 書評 『地学のツボ 地球と宇宙の不思議をさぐる』 
    from 森山和道 
          (2010-12-13 16:00) | 
  | Tweet   Z会「AZEST」 2009年 原稿 
 『  地学のツボ 地球と宇宙の不思議をさぐる  』 
(鎌田浩毅 著 筑摩書房(ちくまプリマー新書) ISBN:978-4-480-68804-0、860円) 
 大陸と海洋底の運動が山を作り、火山を生み、地震を起こすきっかけとなる。地球が冷えるに連れて生まれた対流運動の結果、今日の地球がある。今も雄大な時間スケールで地球は動いている。 
 地学を学ぶ機会は少ないかもしれない。だが、地球科学は非常に面白い分野だ。この本に書いてあるのは皆さんの教科書にも書いてあるようなことだが、最新の研究成果に近い。最新の研究成果がすぐに教科書にも反映される。これは他の理科にはない特徴だ。 
 他にも、科学の本を読むときのちょっとしたコツや、研究においてどこに目をつけるべきか、疑問に抱くべきポイントはどこかといったことも解説されている。理系の考え方を学ぶこともできる一冊だ。著者は火山学者。 
 
     
 
  地学のツボ―地球と宇宙の不思議をさぐる (ちくまプリマー新書) 
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  | 書評 『いつか僕もアリの巣に』 
    from 森山和道 
          (2010-12-13 15:58) | 
  | Tweet   Z会「AZEST」 2009年 原稿 
 『  いつか僕もアリの巣に  』 
(大河原恭祐 著 ポプラ社 ISBN:978-4-591-10181-0、1,400円(税別)) 
 世界最大のアリの巣は北海道・石狩海岸にある。距離にして10km、少なくとも数千万匹のアリがいると見られるという。 
 アリは身近な昆虫だが、世界にはいろいろな種類のアリがいる。イネばかり食べるアリもいれば、肉食専門のアリもいる。体を蜜の貯蔵タンクにしてしまうアリもいれば、中には敵をやっつけるため腹を膨らませて飛び散って特攻するアリまでいる。 
 この本はアリの生態の研究者によるアリの本だ。アリには無限の謎があると著者は語る。たとえばアリは社会性の昆虫だ。働きアリは自分では子供を生まず、巣のために働く。なぜそんな行動が進化したのか? アリを通して研究の考え方だけではなく、研究者とはどういう存在で、ふだん何をしているのかも分かる一冊だ。 
 
     
 
  いつか僕もアリの巣に 
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  | Cancún analysis: Dawn breaks on low-carbon world 
    from New Scientist - Online News 
          (2010-12-13 10:12) | 
  | The "triumph" of Cancún's climate negotiations may be largely diplomatic, but the foundations for a new low-carbon world are being laid regardless 
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  | Geminid meteors set to dazzle 
    from New Scientist - Online News 
          (2010-12-13 9:01) | 
  | The predicted peak of the shower comes on Tuesday, when two shooting stars may grace the skies every minute 
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  | 2010.12.12晴れのち曇り 香川照之が演じる正岡子規 
    from 森山和道 
          (2010-12-13 4:03) | 
  | Tweet     坂の上の雲ミュージアム  
 ▼明日から天候が悪くなるとのことなので、うろうろと散歩する。 
▼NHKのドラマ「 坂の上の雲 」。このために20kg以上減量したという香川照之が演じる正岡子規が死ぬ話だった。脊髄カリエスによる痛みで苦しむ様子を、畳の上で爪を立てて表現していた。 
▼愚陀佛庵や「坂の上の雲」ミュージアムには行ったことがあるのだが、 子規記念博物館 には行った事がない。いや、ひょっとしたら子供の頃に行ったのかもしれないが、覚えていない。 
▼行ったところの感想も去年、 NODE で書くつもりだったが、 お菓子の感想だけ 書いて、そのまま結局書かなかった。建物自体はまあ格好はいいのだけど(でも使い勝手は良くなさそう)、中身の展示はイマイチだった。 
▼ Wikipediaによれば 、司馬遼太郎が小説「坂の上の雲」を産経新聞に連載していたのは「1968年(昭和43年)から1972年(昭和47年)にかけて」のことだそうだ。当時はまだオイルショックも来ていない時代だから、戦後復興の勢いで日本そのものもまだ上り調子だったのだろう。その当時の風潮とマッチしたのかもしれない。 
 
     
 
  坂の上の雲〈1〉 (文春文庫) 
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  | Stem cells in TB protection racket 
    from New Scientist - Online News 
          (2010-12-12 23:00) | 
  | For the first time stem cells have been found helping to defend an infectious disease against the immune system 
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  | Skin was the first organ to evolve 
    from New Scientist - Online News 
          (2010-12-12 19:00) | 
  | The discovery that even sponges have a proto-skin shows that this organ was essential to the development of multicellular life 
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  | 書評 『ぼくの生物学講義 人間を知る手がかり』 
    from 森山和道 
          (2010-12-12 18:59) | 
  | Tweet   共同通信 2010年11月 配信・掲載 
 『 ぼくの生物学講義 人間を知る手がかり 』(日高敏隆(ひだか・としたか)著 昭和堂 ISBN 978-4-8122-1043-7 1800円+税) 
  人間はどういう動物なのか。それがこの本のテーマであり、本のもとになった大学での講義のタイトルでもある。 
  人はもちろん動物だ。だが体毛を持たず、直立二足歩行する。言語を操り、人間以外は持ち得ない財産継承のために結婚のような社会制度を持つ変わった動物である。 
  変わってはいるものの、やはり人は動物の一種である。人にも生物としての遺伝プログラムによる基盤がある。まっさらの状態から何でも学べるわけではないし、行動にも一定の傾向がある。オスとメスは異なる基本的戦略を持っている。それぞれが独自に自分と血のつながった子孫を残すためだ。そのような基盤が底にあって、動物も、そして人間も、社会や社会制度を作り上げている。 
  この本では動物行動遺伝学と呼ばれる分野の話が分かりやすく解説されている。文系理系問わず生物学の基礎知識がなくても誰でも読める本だ。 
  この分野では子孫をどのくらい残せるかを「適応度」という概念で表す。特定個体が ... 
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  | 2010.12.11編集者の人たちの勉強会にて 
    from 森山和道 
          (2010-12-12 2:45) | 
  | Tweet     
▼神保町へ。編集者の人たちの勉強会にて「1970年生まれのライターによる個人的平成史」と題して1時間ほど自己紹介と「 サイエンス・メール 」の宣伝、それと電子書籍やらネットやらの諸々の流れを踏まえた話をさせてもらった。 
▼プロジェクターに繋いだら最初、どういうわけだか「VRAMが足らない」と言われてしまい手間取る。馴れないこともあり、どうも出力にはいつも苦労する。 
▼その後、懇親会があり、久々に居酒屋に入った。向かいのお店の前にサンタのコスプレをした女の子が立っていて、なんだろうと思っていたけど、外に出てみたらコスプレ焼肉屋だった。しゃぶしゃぶも始めたらしい。初めて見た。 
▼ドラマ「 Q10 」最終回。これ、たぶん視聴率それほど良くないと思うし、主演のAKB48の前田敦子と佐藤健のファンくらいしか見てないかもしれないけど、隠れた秀作じゃないか。最初に思っていたのとはずいぶん違う話だった。ゴールデンの枠で、よくこんなドラマ作ったなと思う。脚本は 木皿泉 。 
      ▼新刊。 
 
 『蛍光イメージング革命  生命の可視化技術を知る・操る・創る 細胞工学別冊』(宮脇敦史/学研メディカル秀潤社)  [   bk1  |  a ... 
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  | 書評 『ドングリの戦略』『ミミズの話』『確信する脳』『人は、なぜ約束の時間に遅れるのか』 
    from 森山和道 
          (2010-12-12 0:42) | 
  | Tweet   「日経サイエンス」2010年11月号 書評欄「森山和道の読書日記」掲載 
 
     
 
  日経サイエンス 2010年 11月号 [雑誌] 
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 日本経済新聞出版社 (2010-09-25) 
 
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 「どんぐりころころ」という唱歌があるが、ドングリの生態の研究者による『  ドングリの戦略  』によれば、実際にはそれほど転がらないそうだ。また「ドングリの背比べ」ということわざもあるが、ドングリの大きさは同じ種内でもだいぶ違う。 
  ドングリの数は毎年変化する。「結実変動」とよばれるこの現象は、ドングリを餌とする動物を通して他の植物など山全体にも影響を与える。だが実態は十分に解明されていない。本書を通読してもすっきりとは分からない。この本の醍醐味はその答ではなく、ドングリを手がかりとして、樹木そのものの生長と繁殖のバランス戦略や、様々な種間の関わり方を考える、その考え方や研究手法の面白さにある。 
 
     
 
  ドングリの戦略―森の生き物たちをあやつる樹木 
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